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自作スピーカーのエンクロージャーを設計しよう

2018/12/14
 
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20歳、理系の学生です 中学生のときにオーディオにハマり今日この頃。多趣味な生活をしています。 オーディオの記事を始め様々な記事を書いていこうと思います! コメント等どんな事でも頂けるとウレシイです。 オーディオ・カメラ・ミリタリー・DIY・プラモデル・旅行 気になったらフォローよろしくお願いしますm(_ _)m 〜主に使っているイヤホン〜 shure se535 ue 900s 〜カメラ〜 EOS7d mark2
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長らく遅れてました、今回はエンクロージャー注1)スピーカーの箱のことの設計について説明したいと思います!

なぜエンクロージャーが必要

そもそも、スピーカーユニット注2)スピーカーの音を鳴らす部分のことだけで音は鳴るのになぜ箱がいるのでしょうか?

実はスピーカーは後ろからも音が出ているんです。しかも逆位相!!逆位相とは表から出てくる音の波と全く逆の波が出ています。

これが回り込んで聞こえてくるせいで、

打ち消し合い、実際に鳴っている音が無駄になってしまうんです!

この状態では、特に(音が回り込みやすい)低音が消えてしまいます。

つまり、前の音と後ろの音を遮断する必要があるのです。

そこで登場するのがエンクロージャーです。

エンクロージャーの材料

エンクロージャーの設計は基本的に木材です。

市販のスピーカーには金属製のものや、プラスチック製の物も多くありますが、自作の場合は作りやすい木製です。

木材

木材ごとの特徴については下記の記事をご覧ください。

エンクロージャーについて

私の場合、接着はボンドに補強として木ネジを使用しています。

様々な形のエンクロージャー

音の回り込みを防ぐエンクロージャーには様々な形があり、それぞれにいろいろな特徴があります。

平面バッフル型

この形はスピーカーユニットを単なる平らな板に取り付けて、スピーカーユニットの前面から出る音と背面から出る音を分離する形です。

理想的にはどこまでも大きくする必要がありますが、現実的ではないですよね。そこで、現実の有限な平面バッフルでは背面の音が前面に回り込んできて干渉するので、低音域まで再生するにはかなりの大きさの板が必要となります。

後面開放型

平面バッフル型の巨大化を防ぐために、実用面から平面バッフルの四隅を折り曲げ、後面が開いた箱状にすることがよくあり、後面開放型と呼ばれます。

箱の奥行きが小さければ有限な平面バッフルとほぼ同じものになってしまいますが、奥行きをしっかり取れば大丈夫!

小型化できるし、振動板がストレスフリーの動きとなり、抜けの良い音が期待できます。

デメリットとしては、「共振が発生する」といわれています。

ユニット背後がボックス状の大きなダクト注3)排気口・空気の出入り口のことといえるので、共振が発生してしまいます。これは平面バッフル型ではなかったもので、筒状になることで発生してしまうものです。

また、背後からも盛大に中高域の音が出ているので、壁などに近いとそれら中高域の反射音がそれなりにあると思います、、、

密閉型

後ろの音を、ほぼ完全に遮断できるため低音再生が期待できます。

ちなみに、箱を「密閉」してしまっているので、 振動板が前後できるだけの、箱の体積にある程度の余裕が求められます。空気がバネのように作動してしまい、振動板の動きが制限されてしまうんですね。

この方式の最大の利点は、正確な低音再生です。

純粋に『ユニットの振動板が動いた分』だけの低音が放射されます。

逆の話、振動板が動いた分『しか』低音は出てこないので、十分な低音量感を確保するにはイコライザー注4)音の大きさを周波数ごとに設定する装置等の電気的な補正 が多くの場合で必要となります。

バスレフ型

密閉型では振動板が動いた分『しか』低音は出てこないのでさらに低音を補うために、スピーカーユニットの背後から出る音を利用して低音を増強しようとする方法です。

背後から出る音を、反転させて前面に押し出すようになることから、バス・レフレックス方式と名づけられ略してバスレフ型と言われています。反射板のことをレフ板って言いますよね?それと同じです。

密閉型のスピーカーに穴を開けてあげればバスレフ型になります。

バスレフ型にすると、空気室の容量とダクトの長さにより共振周波数注5)振動する物体が、外部の振動と同期して更に大きく振動する。その時の周波数・音のこと。が発生します。これをうまく調整することで低音強調がなされたスピーカー特性となることから、市販品でも多く見られる上に、このあと説明するバックロードホーンとともに自作スピーカーの人気の形になっています。

ポートの形状は円である必要はなく、四角形や細い長方形でも大丈夫です。

形状による特性の違いは多少あるでしょうが、共振周波数としては断面積が影響するところです。

マルチバスレフ型

名前の通りバスレフが複数ある形のエンクロージャーです。

上の絵にあるように、上側の箱が一段目のバスレフとして機能して低音を、下側の箱も加わってバスレフ動作することで、 超低音をもカバーしようという狙いの箱です。

絵のように、ユニットに比べて非常に大きな箱となるので、一般的には床に直接置く、背の高い形として設計されます。

この方式の一番の利点は、先に書いたようにユニット口径からは信じられないような低音を出せる事です。 一方、「バスレフ」は共振を利用して低域増強をしているので、ユニットの 動きに追従しにくい緩い重低音となってしまいやすい事が欠点としてあげられます。

パッシブラジエーター型

バスレフ型のポートの代わりにパッシブラジエーターを用いる形式です。

パッシブラジエーターとは、サスペンションで支えられた振動板で、振動板がコーン(円錐)形をしている場合はドロンコーンとも呼ばれます。

外観からはスピーカーユニットと区別が付かないものもあります。

動作原理はバスレフ型とほぼ同じです。

パッシブラジエーターの振動板の重量を変えることで簡単に共鳴周波数を低くしやすく、不要な音漏れや風切り音を防いでくれます。

フロントロードホーン型

その名の通り、ユニットの前にホーンをつけ、音を増強する形です。

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ホーンとはこんな形のやつで、メガホンなんかと同じような感じです。(適当ですみません)

あまり市販されてはいませんが、JBLのスピーカーや、拡声器などがフロントロードホーン型になります。

前から見たときのホーンの曲線が美しいスピーカーです。

バックロードホーン型

フロントロードホーンとは対照的に、後ろから出た音(バスレフ等でも大いに利用してきた)をホーンによって増強して有効活用するのがこの形です。

後ろから出た音をホーン伝いに前に曲げて持ってくる形です。こんな風にパタパタ折り曲げてもホーンとして機能するのが不思議ですね、、、

低音を増強するのにそれなりの大きさ、長さのホーンが必要になるため大型のスピーカーになってしまいます。

市販はほとんどされておらず、バスレフ型とともに自作スピーカーの人気タイプです。

自作スピーカーで有名な長岡鉄男さんもこのタイプを大量に作っています。

音道が長いタイプに共鳴官型がありますが、それとは異なり折り曲げることで、中、高音域の減衰と低音の増強が狙えます。また、音道が長ければ長いほど効果を与える周波数が下がっていきます。

音の早さは約340m/秒なので、100Hzまで増強効果を得ようとすれば、ホーンが3.4m必要となる計算です。

共鳴管型

一言に共鳴管型といってもユニットの取り付け位置でパターンがあります。

パターン1は通常のスピーカーとして用いられる形で、パターン2.3はサブウーファーとしてよく用いられる形です。

共鳴管方式は、簡単に共鳴周波数を求める計算ができます。

共鳴管を片方閉じた場合

周波数(Hz)=音速(m/s)÷(4×共鳴管の長さ(m))

で求められます。

※両方閉じた場合は

周波数=音速÷(8×共鳴管の長さ(m))。

音速が340m/秒として、共鳴管の長さを1mとした場合は、

340÷(4×1)=85Hz

となります。

スピーカー背面に長い音道を持つイメージでは、バックロードホーン型と似ているのですが、このように動作原理が違う共鳴管型となります。

ASW型

簡単に言うと、バスレフ型のスピーカーユニット前面を密閉箱で覆ったような感じです。

ユニットのどちらかの面の音をふさいで、空気室と共振ダクトによるヘルムホルツ共鳴注6)空きびんに息を吹き込むと「ボー」という音がなることがあります。このような場合、容器の中で共鳴が起きており、この場合の共鳴は特にヘルムホルツ共鳴と呼ばれる。を利用して、低音を増強します。

共鳴周波数の計算は、バスレフ型と同等ですが、低音再生においてメリットがあります。

バスレフ型では、最低共振周波数以下の周波数では、ユニット前面の音と打ち消し合い、急速にレベル(量感)が下がる特性となります。

しかしこのASW方式の場合は、打ち消す音を出す、ユニットの前面が密閉箱で覆われているのでその打消し効果がなくなるのです。

それにより、バスレフ型より低域の量感を稼ぐことができ、その結果、より低い音域が聞こえてくることになります。

サブウーファーとしてはメリットのある特性ではないでしょうか。

市販されているものには

PioneerのS-21W などがあります

 

設計をしよう

今回は例としてバスレフ型のスピーカーの設計を見ていきたいと思います。

例として使うユニットはこちら!!

FOSTEX10cmコーン型フルレンジユニット FE108E-Σです。

箱の容量

まずは箱の大きさを決めていくために、次の表を目安にして箱容量を決めます。

ユニット口径 箱容量(L)
8cm 4~6
10cm 5~10
12cm 7~12
16cm 15~40
20cm 20~50

この表と、メーカー推奨箱容量を参考にすると良いと思います。
ちなみに、迷ったら大きめの方が好結果につながりやすいです。

今回は10cmのユニットなので箱容量を10Lにしたいと思います。

部屋の置き場所等をよく考えて作らないと大変なことになりますよ…

ダクトの設計

まず、「ダクト断面積」から決めます。
ダクトの断面積は、ダクトから放出される低音の総量と大きな関係があります。

ダクト断面積を大きくすると量が増加。逆に、ダクト断面積を小さくすると量が減少します。

「ダクトは大きくして大迫力の低音をつくりたい!!」と思う気持ちは分かりますが、
バスレフ型は、空気の共振を利用して低音を稼いでいるので、無闇に大きなダクトは緩く不自然な低音となってしまいます。
そんなこんなで、次の範囲でダクト断面積を定めます。

小口径(8~12cm) 40%~10%
大口径(16~20cm) 30%~10%

今回は25%の19.6cm2にします。

バスレフのところでも説明はしましたが、断面積さえ同じであれば、ダクトの形は円でも四角でも何でもOK!
ただ、空気抵抗の原因になるような三日月型とかは避けましょう。できるだけ円か正方形に近い形が良いでしょう。

今回のダクトの形は無難に円形!

最後は、「ダクト共振周波数」の設定です。

ダクトが共振する周波数を「fd」「共振周波数」と言います。

この値も加減が重要で、もし低すぎると低域にディップが出来てしまい、結果として低音不足に感じてしまいます。

その逆で、共振周波数が高すぎると、低音が伸びないばかりか、低域のピークが耳障りな音として聴こえてしまいます。

適切な共振周波数は、カタログに示してある「f0 (最低共振周波数)」の値を参考に、

f0 の約1.0~0.8倍

とすることが多いようです。

今回のユニットの f0 は 77Hz なので、
ダクト共振周波数は、75Hz~62Hzあたりが適正となります。

最終計算

そして、
共振周波数
f =ダクト共振周波数(Hz)
S =ダクトの断面積 (cm2)
V =箱の容量 (L)
l =ダクトの長さ(cm)
r =ダクト半径(cm)

この計算式をもとに計算するのですが、めんどくさいので、DIY-soundさんのサイトを利用させていただきます。

上で決めた値に大体調整していきます。

今回の設計は以上です!

なにか不明な点等あればコメント下さい!!

 

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脚注   [ + ]

1. スピーカーの箱のこと
2. スピーカーの音を鳴らす部分のこと
3. 排気口・空気の出入り口のこと
4. 音の大きさを周波数ごとに設定する装置
5. 振動する物体が、外部の振動と同期して更に大きく振動する。その時の周波数・音のこと。
6. 空きびんに息を吹き込むと「ボー」という音がなることがあります。このような場合、容器の中で共鳴が起きており、この場合の共鳴は特にヘルムホルツ共鳴と呼ばれる。
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